芦原さん / 生きる力を身に着けたくて選んだヨロン島

移住スカウトサービス「SMOUT」がきっかけで「ヨロンまちづくり協同組合」の正規職員になった北海道出身の芦原さん。2022年12月から与論島生活が始まりました。
聞き手は、与論島に移住して17年目、埼玉出身の小高と、同じくたまたま埼玉出身、与論に暮らして2年目の江藤です。



❚与論島との出逢い

小高 それでは芦原さん、よろしくお願いします。まずは移住を考え始めた理由を教えてください。

芦原 自給的な暮らしがしたくて、移住先は北海道内とか南の方ってなんとなく思ってて。その中で「SMOUT」を見て気になったプロジェクトに「興味ある」ボタンを押してたら、チカラさん(ヨロンまちづくり協同組合理事長の川畑力さん)から連絡が来て。で、なんかもうそのままって感じで・・・

小高 トントンといったような?

芦原 そうですね。去年中には動きたいって、とにかくどこかに動こうって思ってたので。

小高 最初移住を考えたのはいつ頃だったんですか?

芦原 それは結構前ですね。1年以上前かな。田舎に行きたいっていうのをすごい思ってて。で、本州にもちょっと行ったりしました。

小高 「SMOUT」を知ったきっかけは何だったんですか?

芦原 最初に母が登録してて。母が「SMOUT」で岡山県のどこかに体験で行ってて。私も使おうと思って・・・

小高 それでチカラやかに引っかかったんですね。(※やか=お兄さん)

芦原 チカラやかのパッションがすごくて(笑)パッションチカラ。私が「SMOUT」の自己紹介のところに、自分で生きる力・・・学歴とかじゃなくて、本質的な生きる力を身に着けたいです、みたいなことを書いていたのですが、それに対して「ぜひ与論で生きる力を身に着けてください」と言ってくれて。「私がやりたいと思っていることを良いって思ってくれるんだ」って。「これやりたいって思う人いないだろうな」ってことを書いてたけど、それがいいって言ってくれるなら良いかなって思って。

小高 与論は自分で生きる力はすごい付くかも。じゃあチカラやかから連絡が来て、すぐ「与論で良いかな」って思えた感じですか?

芦原 そうですね、話したりして「良いな」とは思ってたんですけど、仕事内容は心配でした。もともと自給的な生きる力を身に着けたいから田舎に移住したいっていうのプラス、仕事するなら子ども系がいいなって思ってたんですよ。教育系とか保育補助とかがやりたいなって思ってたんで、そういう点で言ったら仕事内容は全然違うんで。キビ刈れるかなぁ・・・とか、そこら辺はちょっと心配でした。

小高 ここの組合の仕事は全部やったことが無い?ハーベスター(さとうきび収穫)、スーパー、介護、宿泊施設・・・

芦原 やったこと無いですね。

小高 それでも踏み切った理由って?

芦原 何だろう。与論を調べてる時に、畑をやるなら出来るだけ無農薬とかでやりたいと思っていて調べてたら「池田農園」さんを見つけて。与論をオーガニックな島にしたいと書いていたので、そういう人がいるなら良いなって思って。あとシャロン農園さんも薬とか使わないで果物を育ててると知って。こういう人がいる島に行きたいなっていうのがちょっとあって・・・それもあってですかね。

小高 調べてくれたんですね、与論のこと。

芦原 そうですね、ハーブとか薬草とかにも興味があって、そういうカフェもあったから、良いなぁって思った感じですね。

小高 与論はいろんな分野でそれぞれ頑張っている人がいるので面白いですよね。池田農園の理恵さんにはもう会いましたか?

芦原 年末にチカラやかが繋いでくれて。スーパーでレジしてたら理恵さんが現れて。「今日うちで鍋するけど来る?」って

小高 いきなり(笑)

芦原 いきなりその日、理恵さん家にお邪魔して。

小高 すごい(笑)かなりパッションですよね、あの方も。

芦原 かなりパッションですよね!(笑)他にも変な人が集まってて。

小高 変な人引き寄せてるんだ。引き寄せられたね(笑)

❚島での暮らし

小高 今、与論に来て一ヶ月ちょっとですが、実際どう?

芦原 ハーベスター(さとうきび収穫)とかめちゃめちゃ心配だったんですけど、めちゃめちゃ人が優しくて。全体的になんですけど、人に救われてます。

小高 良かった。みんな優しいよね。

芦原 優しいですね。それに尽きますね、ほんとに。

小高 虫とかはどうですか?

芦原 虫とかはまだそんなに見てない気がする。冬だから。あ、クモがいましたね。まあまあでかいクモが出たときは叫びましたけど。ハーベスターの時に、あんにゃ-(※お姉さん)たちに「クモ出たらどうしてるんですか?」って聞いたら「そのまま」って言われて。そっか~・・・と思って(笑)あとこの前ハーベスターやってたら、ネズミが、まぁまぁでかいのがいて。それをサギが咥えてて、それがけっこうショックでしたね。ビジュアル的に・・・あれ飲み込めるの?って・・・

小高 与論って手付かずの自然ってそんなにいっぱいあるわけじゃないから、そこまでワイルドな出来事ってあんまり出くわさないけど、それはなかなか自然体験でしたね(笑)

江藤 虫は、残念ながら今が一番少ないから、徐々に耐性を付けて。

小高 与論で見つけた楽しみとかはありますか?気に入ってる事とか、息抜き方法とか、好きな場所とか。

芦原 え、何だろう・・・・・・・・・・・・・・洗缶飲みが楽しい。
(※洗缶飲み=せんかん飲み。洗缶日の飲み会の事。製糖工場の掃除の日を「洗缶日」と言い、この日はさとうきび畑も休みになるため飲み会になる)

小高・江藤 (爆笑)

小高 酒ですね(笑)自分たちの畑のチームで?

芦原 そうです。それ以外は正直休みの日になったら疲れてるから、洗濯とかして、掃除とかして寝て終わりみたいな。あんまり、まだ全然カフェとか回れて無くて。けっこう疲れますね。楽しいけど、ハーベスター。

小高 島人みたいな生活してますね、既に。仕事して酒飲んで。「何が楽しいって、酒飲みが楽しいです」って・・・(笑)

芦原 確かに(笑)でもそれが楽しいです。

江藤 それが楽しいと思えるなら、いいね

小高 人とのコミュニケーションが、本当に与論は楽しい。ほんと馬鹿みたいにいつものメンバーで飲んでるからね(笑)これ以上話題無いだろうっていうのに、おんなじメンバーで飲んでるから。楽しいよねぇ。えーと、楽しみは酒飲みっと・・・

芦原 いやそんな、洗缶日だけですよ。

小高 家では飲まないの?

芦原 飲まないです。

江藤 それがいいよ。

小高 そうそう、ちょこちょこ毎日飲むよりも、たまーにバッて飲むほうがいいらしいですね。

芦原 そうなんですか?

江藤 肝臓が回復する時間が必要だから?

芦原 へぇ~。でも、潰れないように気をつけようと思ってます。

江藤 これからやってみたいことってある?与論で。

芦原 これからやってみたいこと・・・ああでもやっぱり、自分で畑とか、果物とか育てたり、そういう生活がしたい。本当は井戸とか掘って、トイレもコンポストトイレとか作りたいです。下水道じゃなくて。そういう暮らしがしたい。

❚移住を検討している人へ

小高 最後に、移住を考えてる人や与論に移住してみたいけど踏み切れない人にメッセージをお願いします。

芦原 行ってみないとわからないから、行くしか無いんじゃないですか?しか言うこと無いですね(笑)ずっと迷ってても一生分からないから。行ってみて駄目だったら駄目で帰ればいいし、一回来てみるしかないと思います。

江藤 それで言ったらこの組合は良い仕組みだと思うんだよね。だって、ずっとここにいてくださいっていう組織じゃないから。あくまでもステップ。

小高 与論の入り口的なね。

芦原さんありがとうございました!自然体で人と接する姿が素敵な芦原さん。今後もきっとたくさんの仲間が出来るでしょう。与論でやりたい事がたくさん出来ますように。引き続き、よろしくお願い致します!

この記事を書いた人